ベイビーキャロットを作っているなつめの皆さんの様子
9月4日の軽度認知機能障害回復プログラムなつめは、臨床美術プログラム「ベイビーキャロット」を行いました。
臨床美術は医師と美術家が共同して開発した美術プログラムで、臨床美術士と一緒に実施します。プログラムは平面のものや立体のものなど様々です。なつめではこれまで「ただよう風のオブジェ」や「ナスの量感画」を実施しました。
ohyachi-hp.hateblo.jp
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今回の「ベイビーキャロット」は粘土を使って作る立体の作品で、出来上がった作品はマグネットになります。
さて、6月から開始しているなつめですが、少しずつ参加者が増えてきました!本日も、参加希望のご夫婦が見学に来られました。
プログラムの最初に行う筋トレの様子ですが、にぎやかな感じがします。
臨床美術も、みんなでやるとより楽しいですね。
最初は、写真や実物のにんじんを観察することから始まります。
この作品は人参の葉っぱが重要な要素になるのですが、葉付きのにんじんを手に入れるのがなかなか難しいですね。
今回の葉付きのにんじんは、当別町でカフェやクラフトショップ、苗の販売などを行っている「kokochi屋」さんのお力をかりました。なんと夜の7時を過ぎているにもかかわらず、畑に入ってなつめスタッフの希望の大きさのにんじんを採ってくださったのでした。
kokochiya11.blog.fc2.com
お陰様で、本物のにんじんの葉の柔らかさ、繊細なつくりをじっくりと観察することができました。
写真の白いものも、なんとにんじん!「ダイコンみたい!でも葉っぱはにんじん!不思議!」
こういった小さな驚きや発見が制作意欲につながるのです。
さて、制作に入ると、皆さん久しぶりの粘土の扱いにとまどったり、装飾のための和紙が上手くつかなかったりと苦労している様子でした。
実物から離れてどんどんイメージをふくらましていく方もいれば、「リアルさにこだわりたいから実の部分には何もつけたくないの。」という方、取り組み方も個性的です。
皆違って、それぞれが素晴らしい。少し苦労するくらいが完成した時の喜びにつながる。それが臨床美術の良さなのです。
完成した作品の観賞会では、それぞれの皆さんの作品の素晴らしさを再発見していきます。
ずらりと並んだベイビーキャロット、どれもみんな素敵な作品ですね。
ベイビーキャロットの認知症予防効果
臨床美術プログラム「ベイビーキャロット」は、どこにでもある紐を芯にして粘土をつけ、和紙を張って行くという作品です。
粘土の柔らかさは心地よい感覚刺激として脳を活性化します。和紙をちぎって張る時には指先を使います。手を使うと広い範囲で脳の運動野を刺激します。
立体の作品を、カラフルな色の和紙でバランスよく飾り付けて行きます。アルツハイマー型認知症で早くから衰えて行く空間認知機能を鍛える効果が期待できます。
このプログラムは、「フェリシモ」の「脳が目覚めるお絵かきプログラム」で購入し、ご自宅で実施することができます。
ランチ始めました
本日から、なつめではランチのサービスが開始されました。大谷地病院の給食ですが、参加者はしっかりとお腹を満たしてご自宅に帰っていただきます。
高齢になると食が細くなり、隠れ低栄養の心配が出てきます。特に、独居の方は食事のバリエーションが乏しくなりがちです。週に一度の1食でもしっかりと食べていただくことによってフレイル予防につなげたいという思いがあります。
皆で食べると、「ちょっと多いわー、こんなに食べられない。」と言っていた方もいつの間にかぺろりと間食してしまいます。みんなで食事をするって楽しいですよね。
軽度認知機能障害回復プログラムなつめは、医療法人重仁会大谷地病院のデイケアで行っています。ご興味のある方は大谷地病院(011-891-3737)までご連絡ください。