大谷地病院認知症疾患サポートセンター便り

大谷地病院認知症疾患サポートセンタの活動をご紹介します。

軽度認知機能障害回復プログラムなつめで体を使った脳トレをしました

f:id:ohyachi-hp:20191024092815j:plain

MCI改善に有効な運動とは

認知症予防に運動はとても重要な要素です。運動の種類や要素については諸説あります。先日行われた日本認知症予防学会学術集会において、MCIを改善させるには有酸素運動だけでは不十分で、有酸素運動脳トレの要素をプラスした運動が効果があるという発表がありました。

軽度認知機能障害回復プログラムなつめでは開始当初から有酸素運動脳トレの要素をプラスした運動であるコグニサイズやシナプソロジーを行っています。

シナプソロジーは決まった動きに記憶や視覚・聴覚などの様々な刺激をプラスしていくことで脳を混乱させて認知機能を刺激するプログラムです。

今回のなつめでは、足踏みや軽いスクワットなどの運動をベースに心拍がしっかりと上がりつつ脳トレを行える運動を行いました。

f:id:ohyachi-hp:20191024082134j:plain
足踏みをしながら「右左左右」などリーダーの声に従って隣の人の方をポンポンと叩くプログラムです。

時々「左は声に出さない」など指示が変わります。そのたびに混乱し、違う方をたたいたり、足踏みを忘れたりします。

シナプソロジー有酸素運動をしっかりと行った後は、椅子に座ってコグニサイズを行いました。
f:id:ohyachi-hp:20191024092805j:plain
椅子に座っていますが、足は絶えず足踏みをするのでそれなりに運動強度はあります。

足踏みに30まで数を数えるという課題を加え、さらに「3の倍数の時だけ黙って手拍子をする」「3の倍数の時だけ野菜の名前を言う」「3の倍数の時だけ北海道の市町村名を言う」という課題を加えていきます。

これは、ワーキングメモリ+言語流暢性の課題になります。

他にも、100から3を引いていく算数課題や、1つ前の言葉を付け加えながら言葉を考えるしりとり課題も行いました。

どの課題もしっかりと考えないとなかなか難しい課題で、時折間違えます。

この「とまどい」や「間違い」が笑いを生み、さらに脳を活性化させます。

気持ちよく汗をかいた後は、おいしく昼食をいただいてプログラムを終えました。