大谷地病院認知症疾患サポートセンター便り

大谷地病院認知症疾患サポートセンタの活動をご紹介します。

軽度認知機能障害回復プログラム「なつめ」で「抗酸化栄養素」の講話を行いました。

動脈硬化認知症

動脈硬化」とは、動脈の壁が厚くなったり硬くなったりして、本来の構造が壊れ、働きが悪くなることを言います。この状態と認知症がどう結び付くかと言うと、動脈硬化により脳の血管が詰まると「脳血管性認知症」と原因となります。

また脳梗塞には「かくれ脳梗塞」という、気づかないうちに(自覚がないうちに)小さな梗塞が起こることがあり、これが脳血管性認知症の大きな原因になることがあります。

 動脈硬化が進む原因にはいくつかの「危険因子」があります。①高血圧 ②脂質異常 ③喫煙 ④肥満 ⑤糖尿病です。動脈硬化が進まないようにするには、肥満を改善し、生活習慣病を予防することが大事です。生活習慣病の予防⇒「運動」「食事」に結びつきます。私たちは食べ物を食べて生きていますので、健やかな毎日を送るためには体に必要な栄養素を取り入れた食生活をすることがとても重要です。

 

抗酸化栄養素f:id:ohyachi-hp:20191221102837j:plain

動脈硬化を防ぐためには危険因子となる生活習慣病を予防する食事が大切です。

今回のなつめでは、抗酸化作用のある栄養素に着目したお話しをしました。

日常の中には色んな抗酸化栄養素があります。野菜や果物の色素「ポリフェノール」は抗酸化作用の代表格。緑茶の「カテキン」、ごまに含まれる「セサミン」コーヒーに含まれる「クロロゲン酸」もポリフェノールの一種です。ブドウの「アントシアニン」、そばに含まれる「ルチン」、鮭やエビの色素「アスタキサンチン」もあります。

また野菜や果物に多く含まれるビタミンCや魚卵やアボカド、ナッツ類に豊富なビタミンEも抗酸化栄養素です。活性酸素の発生を防ぎ、血管の老化予防にこれらの栄養素が効果を発揮します。

 

野菜や果物を食べていますか?

f:id:ohyachi-hp:20191221102820j:plain私たちは野菜の摂取が目標(成人350g)に比べて少ない傾向にあります。H29年の調査では男性は平均300g、女性平均280gと言う結果でした(厚生労働省:国民健康・栄養調査より)。なつめでも「野菜はとにかく頑張って食べましょう」とお伝えしています。なぜならどうしても不足しがちだからです。なつめの皆さんは果物の摂取はされていますので(素晴らしい!)、どうして野菜が必要なのかも、前述した今回のお話しでじっくりさせて頂きました。

冬の野菜は色の白い(淡色)野菜が多く出回ります。大根や白菜、キャベツにもやし…野菜は野菜でも、色の薄い野菜と濃い野菜(緑黄色野菜)を両方しっかり食べることが重要です。人参、ちぢみほうれん草、ブロッコリー、にら、小松菜、トマトなど、色の濃い野菜もしっかりと食べましょう。

 

緑茶をいただきました

 

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 身近な抗酸化作用が豊富な飲み物「緑茶」。今回のなつめでは皆で緑茶を淹れていただきました。 そして残った茶葉も頂きました。納豆に付属のたれの他、小さじ1程度の茶殻、小さじ1のオリーブオイルを入れて混ぜたら完成です。

「初めて食べるよ」と皆さん。どんなお味か、実食・・・

茶の味が全く気にならず、抵抗なくいただきました。緑茶の産地では茶葉も頂くことが多いそうですね。茶葉まで食べることができるなんて!茶畑に広がる鮮やかな緑の茶葉をイメージしながら、皆でおいしくいただくことができました。

 

どんな病気の予防にも、疾病の改善にも、体に必要な栄養素がしっかり取り入れられた「バランスの良い食事」が大切です。

しっかり食べて運動して、たくさん笑って、元気な毎日を送りましょうね。