大谷地病院認知症疾患サポートセンター便り

大谷地病院認知症疾患サポートセンタの活動をご紹介します。

軽度認知機能障害回復プログラム「なつめ」で栄養のお話をしました。

パンに合う献立を考えよう

感染者数がなかなか減少せず、自粛生活が長く続いていた北海道。都道府県の中で唯一第二波を経験した私たち。今後も第三波という不安を抱えながら生活を送らなければなりません。しかし、恐れているだけでは何も変わらない!明るい気持ちを持って毎日を過ごすためには、しっかり食べることが大切!ということで、5/27のなつめでは、栄養のお話をしました。

 自粛生活=買い物も一度にある程度買っている方も多いと思います。ある程度日持ちする”パン”を食べる機会が増えた方もいるのではないでしょうか?

なつめに参加されている方に聞いたところ、皆さんパンを食べていました。

 

食パン、ロールパン、クリームパン、あんパン…

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なつめの管理栄養士もパンが大好きです。ふかふかのパンの良いにおい…!

ですが、パンに合わせてしっかりおかずを食べているでしょうか?

菓子パンに牛乳、コーヒーだけで栄養は足りません。バランスよく食べるということは、体に必要な栄養素をいろんな食べ物から摂取するということなのです。

 

パンに合わせて食べるには

パンは主食です。主食というと、ごはんや麺類も同じ主食の仲間です。

「バランス良く」食べるというとなんだか難しく聞こえますが、主食(炭水化物が多い食べ物)+主菜(たんぱく質が多い食べ物)+副菜(野菜、きのこ、海藻が多い食べ物)を足し算して食べることを言います。

菓子パンを食べるなら、主菜と副菜を組み合わせます。

総菜パンを食べるなら、種類によりますが、卵や肉などのたんぱく質食品が入っているパンが多いので、+副菜を組み合わせます。

サンドイッチは主菜、副菜が組み合わさっているのでおススメです。ヨーグルトや牛乳、果物を合わせるとさらにバランスが良くなります。

 

なぜ管理栄養士がバランスを重視するのか。それは「食品の多様性」が大事だからです。近年、認知機能と栄養について様々な研究がされていますが、多くの種類の食品を摂取している人は、そうでない人に比べて認知症発症が少なかったという研究結果が報告されています。

そして「フレイル」との関係も重要です。フレイルを予防するためには特にたんぱく質の摂取が重要です。たんぱく質は肉、魚、卵、大豆製品に多く含まれ、これらは「主菜」です。パンとコーヒーの組み合わせはたんぱく質が不足します。たとえおなかいっぱいで「きちんと食べている」と思っても、実際は体に必要な栄養素が不足しているのです。

 

栄養いっぱいスープ

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なつめの皆さんと「何をどのくらい」食べたらよいのかをしっかり学んだあとは、簡単にできてたくさんの栄養が摂れるスープを紹介しました。

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【材料】2人分

水 300ml

コンソメ キューブ1つ

卵 2コ

冷凍ホウレン草 ひとつかみ

ミニトマト 4コ

乾燥わかめ ひとつかみ

 

【作り方】

①卵をわりほぐす。ミニトマトは半分に切る。

②鍋に湯を沸かし、沸騰したら火を弱め、ほうれん草、ミニトマト、わかめを入れる。

③火が通ったらコンソメを入れて溶かし、卵を回し入れる。火が通ったら味を見て、足りなければ塩・こしょうで味をととのえたら完成。

 

これをパンと組み合わせると、たんぱく質やビタミン、ミネラルを摂取することができます。簡単にできて冷蔵庫に余っている食材で応用ができるので、とってもおススメ。

「これなら簡単にできるわね」となつめの皆さんにも大好評でした。

 

私たちは食べたもので体を作り、生きています。

豊かな生活を送るためには、しっかり食べることが大切です。

「食べたらだめ」な食材はありません。何事も「ちょうど」が大切。そして組み合わせが大事。

おいしく食べて元気な毎日を送りましょうね。