大谷地病院認知症疾患サポートセンター便り

大谷地病院認知症疾患サポートセンタの活動をご紹介します。

軽度認知機能障害回復プログラムなつめで風船バレーをしました

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今月の脳トレ体操

軽度認知機能障害回復プログラムなつめでは、月に一度運動を使ったプログラムを実施しています。

シナプソロジーやコグニサイズなど、認知症予防ではおなじみの運動に加えて、コーディネーションを意識した運動も取り入れています。

今月は、風船バレーボールをメインに実施しました。

まず、定番の「方位」シナプソロジーを行いました。
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方角を確認して、指定された方角に向かって一歩踏み出すという単純なものです。単純なのですが、方角を地名に変更したり、正面になる向きを変更すると、頭が楽しく混乱します。適度な混乱を起こす時に脳が活性化されるというわけです。

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じゃんけんを使ったシナプソロジーも定番です。今回は全身を使ってじゃんけんを行うことで、身体的な負荷を高めました。リーダーの出したじゃんけんに皆さん後出しじゃんけんで勝ったところです。指先までピンと伸びていて大変キレがいいですね。

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続いて、風船バレーを行うのですが、新型コロナウイルス対策として、素手で行わず、新聞紙の棒を使って行うことにしました。

もちろん、棒は皆さんに手作りしていただきました。手を使うのも認知症予防にはとても大切な事です。

風船バレーを認知症予防に使うときの視点

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高齢者のレクリエーションとして、風船バレーは定番メニューです。ふわふわと飛ぶ風船を皆で追いかけるのは楽しいですね。

今回のように輪になって行ってもいいし、ネットを立てて対戦にしても良いです。輪になって行うのと対戦では、参加者の力の使い方や狙い方、交流の仕方がかなり変わってくると思います。

輪になって行うときは、「風船を如何に相手が打ちやすいように返すか。」という事が重要になってきます。

最初は、どうしても力いっぱい風船を叩きます。でも、風船を強くたたくと思ったところに届けられないことが多いのです。

相手がとりやすい場所にうつにはどんな力加減で売ったらいいのか、飛んできた風船の軌道に合わせて判断し、打ち返す。

ゆっくりと飛ぶ風船に合わせて、皆さんだんだんと学習していきます。

脳は様々な情報処理をしながら、その時の状況にあった動きがスムーズにできるよう、体の動きを調節するための信号を送ります。どのように信号を送ったら良いのか脳も試行錯誤しています。

こういった脳トレの効果があることを、簡単な言葉で参加者の皆さんに伝える事も大切です。「脳にいいんだ!」と認識するだけで、モチベーションが高まります。

モチベーションが高まりは、同じ運動をしていても効果を高めるのです。