大谷地病院認知症疾患サポートセンター便り

大谷地病院認知症疾患サポートセンタの活動をご紹介します。

高齢者げんきあっぷぷろぐらむ「なつめ」で栄養の講話を行いました

コロナに負けないからだづくりをしよう

気づけば8月…暑いあつーい札幌、オリンピック観戦(もちろんテレビで)に夢中になる毎日、その影でコロナ感染者の激増…とジェットコースターのような日々を送っていますが、7月の栄養の講話は「コロナに負けないからだづくり」をテーマにお話をしました。

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コロナ禍となって2年、自粛生活をする中で高齢者の筋力低下、認知機能の低下や、栄養状態の悪化が心配されています。

自粛することにより、今までできていた社会活動やスポーツ、レクレーションなどが中止となり、札幌は特に感染者数が多いので市営の体育館も閉鎖されています。体操教室、卓球サークル、カラオケ、町内活動…いろんな活動が中止となった結果、体を動かす機会、人と会う機会が減り「フレイル」が増えているのです。

フレイルとは、加齢に伴い心身が老い衰え、社会とのつながりが減少した状態を言います。

コロナが流行して以降、活動する機会が減り自宅にいること、自粛を守っていることが、フレイルの加速につながっています。

もちろん、自粛しているのが悪いわけではありません、それは正しいことです。ただ、フレイルを知り、しっかり対策をすることが必要で、対策することがこれからの未来に繋がっていくのです。

また、自粛していることで買い物の機会が減ります。日持ちするものを買うことが増え、あるもので済ませることも増えたのではないでしょうか。

加えて札幌も内地と同じような蒸し暑さが続き、火を極力使わないで簡単に調理できるような料理で済ませる方も多いと推測されます。

冷たい麺類はさっぱりしていて食べやすいし、菓子パンは日持ちするので買い物の時についつい買ってしまう食べ物です。作るのが面倒な時はおにぎりやおいなりさんを買って食べるとか、日常の中でよくある食事です。

 

しかしこれが続くと、「食べているんだけれども必要な栄養が不足した状態」となります。

筋力維持のために必要なたんぱく質ビタミンDなどを十分にとっていないとフレイルが加速するのです。

加えて、社会のつながりが少なくなると認知機能の低下も心配になります。フレイルと認知症の発症はとても深い関係があり、フレイルの状態を放っておくと認知機能低下につながります。栄養の不足も重なりこれらがどんどん悪化していってしまいます。

今日本はコロナ禍で、このような負のスパイラルに陥ってしまっている高齢者が増えています。

 

これを改善するためにはまずは自宅でできる筋力トレーニングや、感染対策をした上での散歩や運動が有効です。

それとあわせて食事。筋力を維持するためにしっかり摂るべき栄養素は「たんぱく質」です。おにぎりだけでなく、+ゆで卵 +唐揚げ など、たんぱく質が多い食べ物を一緒に摂る必要があります。

たんぱく質が豊富な食べ物は肉、魚、卵、大豆製品、乳製品です。

1回の食事で必要な量は手のひら1つ分!これは何度もなつめでお勉強してきました。

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手の平1つ分を確認する皆さん。

 

ざるラーメンも良いけど冷やし中華のような具沢山の食べ物がおススメ、菓子パンも良いけどサンドイッチの方がいっぱい栄養が摂れるよ!など、選ぶ上での注意点などをお話しました。+1品追加することが大事。

 

フレイル予防は認知症予防

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フレイル予防=認知症予防です。筋力を維持し、元気に食べること。そしてからだに必要な栄養を食べることが、明日へとつながっていきます。

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筋肉クイズもしました^^

8月4日は「栄養の日」

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明日8/4は何の日かというと、「栄養の日」です。8(エイ)4(ヨー)の日、覚えやすいでしょう⁈笑

今年は「栄養の整理整頓」がテーマです。

いろんなコンテンツがあるので詳細は日本栄養士会のHPをご参照頂くとして、

「食べ方を知る」というのはとても大切なことだと思っています。

「ただ食べる」ではなく「よりよく食べる」ことができるように、これからもなつめでたくさんお話していきたいと思います。