認知症予防に効果的! 100均素材で、手軽にゲーム・楽しく運動
大谷地病院・高齢者元気アップくらぶ なつめでは、ゲーム感覚で簡単に楽しめる、なつめオリジナルの運動プログラムを行っています。
これまで、認知症予防には、有酸素運動や、デュアルタスク運動(*)がよい、言われていました。
*デュアルタスク運動:運動をしながら、計算など頭を使うようなことなど、同時にいろいろなことをする運動のことです。
でも、最新の認知症の専門家の考えでは、どれか1つの運動を行うよりも、
「筋トレ」「有酸素運動」「デュアルタスク運動」など、いろいろな運動を組み合わせて行う方が認知症効果的
という考え方に変わってきています。
今年の日本認知症予防学会でも、こうした見解が採用されているんですよ。
実はなつめでは、こうした運動に関する考え方の変化を先取りする、「なつめの運動プログラム」を行っています。
例えばなつめでは、①姿勢矯正運動、②筋力トレーニング、③シナプソロジー(**)、④レクリエーション、の4種類を組み合わせておこなっています。
**シナプソロジー:デュアルタスク運動の一つなのですが、運動に脳トレの課題を加え、頭を混乱させることで脳を活性化させる運動です。
最新の考え方にぴったりですね。
さらに、レクリエーションでは楽しいゲームの中に、いろいろな脳トレ効果が隠されているんです。
プログラムに楽しく取り組みながら、自然と認知症予防の運動と脳トレができるよう、工夫してるんですよ。
そこで今日は、なつめで行うレクリエーションとその脳トレ効果を少しだけご紹介しますね。
羽子板エアホッケー
ゲームセンターでおなじみのエアホッケーの、おうちでできるバージョンです。
用意するもの
机(横に2、3歩移動できる幅のもの。テーブルを並べてくっつけてもOK)
イス
書類を入れるケース
ミニ羽子板(ダイソー)
ボール(直径6㎝くらいのもの)
タイマー(スマホでOK)
テーブルのセッティング方法
- テーブルを横に、横にイスをびっちりと並べます。
背もたれが壁になるようにしていますよ。
今回は60㎝×180㎝の机を2コくっつけています。
- 横方向には書類を入れるケースを養生テープでくっつけます。
ボールが落ちても大丈夫であれば無くてかまいません。
当院では感染症対策としては、できるだけ床に落ちた物を触らないようにしているので、ボールの落下も防止しています。
(保健所によると、床上30㎝はウイルスに汚染されているのだそうですよ)
ボールが落ちないと、床に転がったボールを追いかけて、転ぶことをも防げます。
ゲームの進め方
- じゃんけんで、勝った方からボールを羽子板で打ちます。相手は打ち返します。
- 打ち返せなかったら、相手に得点が入ります。
点数を決めて何セットか先取した方が勝ちにしてもいいですが、体力に自信がない場合は、1分間で何点得点できるかを競った方がやりやすいと思います。
ちなみに、羽子板ホッケーには次のような脳トレ効果もあります。
このゲームでは次の能力をフル活用します。
- 物を自分の位置関係を理解する能力(定位能力)
- 周りの動きに反応する能力(反応能力)
- 関節や筋肉をスムーズに動かす能力(連結能力)
- 手足や道具を思い通りに動かす能力(識別能力)
- 周りに合わせて素早く反応し、体を動かす能力(変換能力)
けっこう、たくさんの能力を使っていますよね。
ボールを見て、それに合わせて動いて、打ち返す。
ボールの動きに合わせてスピーディーに動く。
それだけなのに、こんなにたくさんの能力を一度に使ってるんです。
なんとなくゲームをするだけでなく、脳トレ効果を意識すると、より効果的になるかもしれませんよ。
プログラムを通して見ていて、私は「運動は最大の脳トレ」だと思っています。
そして、レクリエーションは「運動」+「楽しい」。
きっと、最高の脳トレなのではないでしょうか。
羽子板エアホッケーも、参加者の方が「思わず体が動いてしまう」「笑いがたえない」ととてもいきいきとしたレクリエーションになっています。
新型コロナ感染症対策でまだまだおうちにいることが多くなるかもしれません。
そうしたときに、みなさんのおうちや介護の現場でレクリエーションなどに使っていただけるとうれしいです。
また、「やってみたいけど一緒にやる人がいない…」という方は、ぜひ一度なつめに遊びに来てくださいね。
無料で見学もできますよ。
これからも、みなさんのお役に立てるレクリエーションを考えていきたいと思います。
ぜひブログにもまた、遊びに来てくださいね。