大谷地病院認知症疾患サポートセンター便り

大谷地病院認知症疾患サポートセンタの活動をご紹介します。

認知症予防サークルわっこで臨床美術「にんにく」をしました

元気が出る食べ物と言えば・・・?

雪がちらちら舞うこの日、「いやー寒いねー!」と言いながらも元気にお越しくださったわっこの皆さん。北海道はこの時期が一番寒さがこたえるよね!なんて言いながら、本日は臨床美術の日です。

 

本日の主役は・・・?

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この写真のどこかにあります。

 

はい、真ん中のお盆の上にある、まんじゅうみたいにおかれた野菜、

にんにくです!

 

「普段にんにくはどう食べる?」の質問にいろんな(とっても参考になる)お話が出ました。なかでも印象的だったのが、黒ニンニクを作るというお話。

青森県産の大きいにんにくを使って、炊飯器で1週間熟成させて作るのだそうです。手間ひまかけて作った黒にんにくは、「なんだか元気が出ないな」という時に食べると、翌日の元気度がかなりアップするそうで、すごいにんにくパワーを感じました。

 

たくさんのお話を聞けたところで、さっそくにんにくに触れ、においも感じながら、どんな風にできているのかな?と観察していきます。

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料理する時はこんなにじっくり見たことがなかったけど、軸はこんな風になっているんですね。


樹脂粘土を使って、にんにくをひとつひとつ、つくっていきます。

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まぁうりふたつ!どっちがほんものかわからなくらい( *´艸`)

 

そして、このおいしそうなにんにくたちを軸につなげていきました。

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最後は皮です。何度も言っていますが普段料理中は全然気にしないで割って皮をむいてスライスしたり擂ったりしてあっという間にフライパンに入ってしまうため、こんなにじっくりと観察することはありませんでした。「外皮はこんな風についているんだねー」なんて、ベテラン主婦の皆さんも関心しながらつけていきます。

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ほら、にんにく!

 

 

完成した作品

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並べてみるとどっちが本物かわからない、素晴らしい作品が出来上がりました!

「こんなに集中して作って、今日は右脳が活性化したねー!」と笑顔の皆さんでした。

 

 

臨床美術は、臨床美術療法として日本認知症予防学会が「認知症予防」についてエビデンス認定したプログラムです。

 

以下、日本臨床美術協会HPより引用

グレードC:臨床美術療法は、認知症患者の知的機能を改善する可能性が有る。
グレードB:臨床美術療法は、認知症患者の情動障害(BPSD)の改善効果が認められる。

<以下判定根拠>
・芸術療法(art therapy)は芸術手段を用いて心を表現させることにより精神疾患を治療する精神療法である。絵画や造形活動が中心であるが、音楽や舞踊、演劇なども実施されることがある。この芸術療法の一種である臨床美術(clinical art)療法は、絵やオブジェなどの作品を楽しみながら制作することで脳を活性化させ、精神疾患に加えて、一般高齢者の健康増進や認知症の予防治療、一般社会でのストレス軽減、児童生徒の情操教育等にも効果が期待されている。
 本申請の臨床美術療法は集団で行うもので、先ず参加者の挨拶や握手に始まり、歌や体操で心理的好環境を準備した上で、例えばリンゴ描画の場合は実物リンゴを持たせて触感や匂い刺激を与えた上で試食も実施し、最後まで輪郭を描かせずに色彩や描画法を本人に工夫させて次第にリンゴ描写を完成させ、最後に参加者同士で鑑賞会を実施するなど描画準備段階から、完成、終了後まで一連のステップを総合的に活用することにより、参加者が成功体験を獲得でき自尊心を取り戻すことが出来るように工夫されている。

 

わっこでは、臨床美術士の資格を持つスタッフがプログラムを運営しています。

脳の活性化はもちろんのこと、出来上がった時の達成感やよろこびは言葉に表せません。完成した作品を皆で見て喜ぶ皆さんの笑顔も、とってもまぶしくて、いつも楽しく過ごしています。

これを地域で活動として取り入れているところは本当に少ないので、ぜひ体験してほしい!一回やったら絶対魅力がわかる!と思っています。

「美術は苦手」というのはまっっったく関係ありませんので、ご興味がある方がおりましたらぜひ、遊びに来てほしいなと思います。

参加費500円だけ持ってきて頂ければ、材料等の持ち物もありませんよ。子どもからシニアまで、誰だって楽しめるプログラムです(*^^*)