大谷地病院認知症疾患サポートセンター便り

大谷地病院認知症疾患サポートセンタの活動をご紹介します。

軽度認知機能障害回復プログラムなつめが再開しました

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なつめの再開について

大谷地病院で実施しているショートケア「軽度認知機能障害回復プログラムなつめ」は、2月26日から開催を見合わせていました。

 

理由はもちろん、新型コロナウイルス感染症感染拡大によります。

 

北海道知事から週末の外出自粛要請が出され、札幌市も市主催の活動自粛や介護予防センター主催のサークル活動の自粛、そして小中高校の登校自粛。

 

正体のわからないウイルスの感染に世の中は翻弄されました。その中で、メンバーの方々の健康を守るために一旦なつめを休止し、状況を冷静に判断しなければなりませんでした。

 

そして、3週間休止しましたが、感染の拡大はまだしばらく続きそうだということがわかってきました。

 

介護施設の集団感染で亡くなった高齢者のニュースを耳にすると、判断に迷いが出るのですが、このまま長期間なつめを中断していると、認知機能の低下やフレイルの進行など、別の健康被害が出てくることが予想されます。

 

そこで、感染予防対策を徹底したうえで、感染のリスクを承知いただいての再開に踏み切りました。

「集まる」ということの大切さ

3週間ぶりに集まることができたのは半数の方でした。欠席の方は新型コロナウイルス感染症のリスクを恐れてというわけではなく、風邪やそれ以外の体調不良によるものです。

 

中には、普段から咳込みがちなのにもかかわらず「咳をするとみんな嫌でしょう。」とほかの方の気持ちを気遣って欠席する方もおられました。

 

久しぶりに顔を合わせたメンバーの方々は、まるで久しぶりに登校した子供たちのように心から再会を喜んでいました。

 

しかし、開始時は皆さん何となく目がうつろだったり記憶が曖昧だったり、3週間自宅に引きこもっていた影響が見え隠れしていました。このまま中止を継続していたらどうなっていただろうかと思います。

 

久しぶりのなつめは、運動不足解消のためいつもの筋トレ+みっちり脳トレ体操を行いました。

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脳トレはすんなりとできてしまうより、間違えて「あれれ!?」と思うほうが認知機能を使うためお得なのです。ですから、「間違えたー」「難しい!」と笑いながら行うのが一番効果的なのです。

 

久しぶりのなつめは、笑い声が絶えない時間になりました。

 

笑うと免疫機能が活性化されます。がん細胞をやっつけるために吉本新喜劇が効果があるという研究結果があるほど。


心を許した仲間と一緒に活動して笑って美味しい食事を食べる。


当たり前のこの時間の大切さを痛感した1日でした。


今回の判断が間違いだったと思う事の無いよう感染予防に努めながら、メンバーの皆さんの健康と認知機能を支えていきたいとスタッフ一同気持ちを新たにいたしました。