大谷地病院認知症疾患サポートセンター便り

大谷地病院認知症疾患サポートセンタの活動をご紹介します。

認知症予防サークルわっこで臨床美術「玉ねぎの量感画」をしました

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臨床美術「玉ねぎの量感画」をしている時のわっこの皆さんの様子

7月11日、認知症予防サークルわっこでは、臨床美術プログラム「玉ねぎの量感画」を行いました。

「絵を描く」というと抵抗感が強いのか、今日はいつもよりも参加者が少なかったです。残念!でも、「苦手な事こそ挑戦しようと思って!」とキラキラした笑顔で来て下さった方や、地下鉄に乗ってきてくださった方がおられましたので、少ないながらも楽しい時間を過ごしてもらいたい!とスタッフも気合を入れて頑張りました!

臨床美術は、「上手に描く事」を目的としていません。モチーフを感じること、自分らしく思いのまま表現する事を楽しんでもらう事を大切にしています。

今回の玉ねぎは主婦の皆さんにとってなじみ深ーい食材です。

料理の仕方や栽培の仕方など、玉ねぎ談議に花を咲かせた後、玉ねぎを描いていきました。一見地味に見える玉ねぎにも、いろんな色が隠れています。それを発見しながら絵がいていったり、赤や紫、青など一見玉ねぎには無いような色を使ったり・・・。

スーパーで売っている玉ねぎって、みんな同じに見えるけれど、描いてみると全て違う個性的な玉ねぎが出来上がりました。

玉ねぎを飾るようにコラージュしていくのですが、創作意欲に火が付いた皆さん、折り紙を折ってみたり可愛い形に髪を切り取ったりとコラージュの工程も楽しんでいました。

「疲れたー!」「でも楽しかったー!」と皆さん来た時の何倍も素敵な笑顔をされていました!

臨床美術の認知症予防効果について

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臨床美術は、認知症予防学会で「認知症のBPSDを改善する効果がある」「認知症患者の認知機能を改善する」という事について「エビデンスがある」と認定されています。エビデンスがあるというのは、学術的な根拠があるという事です。

認知症予防学会で非薬物療法としてエビデンス認定を受けているのは音楽療法と臨床美術だけです。(2019年7月現在)。

認知症のBPSDを改善する」「認知症の認知機能を改善する」・・・。認知症になっている人の症状が改善は予防とは関係がないじゃない、と思いませんか?

実は予防には3つのステージがあります。

認知症の発症を予防する(1次予防)、認知症の早期発見早期治療(2次予防)、認知症の進行予防(3次予防)の3つです。認知症予防学会で認められているのは3次予防になりますね。認知症になっても自分らしく豊かに生きるため、重症化させないという予防になります。

認知症は、誰でもなるのが当たり前の病です。でも、認知症の発症を遅らせること、発症しても重症化するのを出来るだけ防ぐことが大切だと考えられています。

認知症予防サークルわっこは、「認知症の発症を予防する」「認知症の早期発見」の役割を担っています。

毎週木曜日午後1時30分~3時30分まで、札幌市厚別区大谷地団地町内会館で1回500円で実施しています。申し込みは必要ありません。どなたでも、いつでも参加出来ます。お近くにお住いの方、是非遊びに来てください!