大谷地病院認知症疾患サポートセンター便り

大谷地病院認知症疾患サポートセンタの活動をご紹介します。

軽度認知機能障害(MCI)回復プログラムなつめでアタマカラダジムとふまねっとを実施しました

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アタマカラダジムとふまねっとを実施しているなつめの皆さんの様子

九州では大雨の影響で避難指示などが出ていますが、北海道も低気圧の影響を受けてどんよりとした薄曇りの天気です。

でも、なつめの参加者様は太陽のような元気な笑顔で参加されました。

今回は「体と頭を使った脳トレ」を実施する日です。頭と体を使った脳トレは、いろいろ種類がありますが今回はアタマカラダジムというコグニサイズを用いたプログラムとふまねっとを実施しました。

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まずはいつも通り本山式筋力トレーニングを行いました。

本山式筋力トレーニングでは、脳と筋肉のつながりを意識しながら筋肉を鍛えることで、加齢によって弱くなった脳と筋肉のつながりを強化していきます。

参加者の中には、太ももの筋肉はよい感覚が保たれているけれど体幹の筋肉の感覚が薄れている方がいました。筋肉の痛みを感じるくらいまで負荷をかけて動かすことで、筋肉が動いていた感覚を脳に伝えていき、感覚神経を刺激していきます。

そして、初めての体験「アタマカラダジム」でモニターを見ながら運動を行っていきます。

最初はモニターの司会者の説明がピンとこないこともありましたが、だんだん慣れていくとしっかりと体が動いていきました。
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ちなみにこの画像はスタッフのほうが間違っています・・・。

アタマカラダジムでしっかりと頭と体を動かした後は、北海道発祥の介護予防運動「ふまねっと」の出番です。
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黒いネットを踏まないように気を付けながら、いろいろなステップや手拍子の課題を行っていきます。

「簡単に見えるんだけど難しい!」と悩みながらも、ステップと手拍子を練習していきました。

アタマカラダジムとは?

アタマカラダジムは、アイパットに入力されているアプリを使って行う脳トレ体操です。

アルツハイマー認知症基礎研究の第一人者である東京大学・富田教授の全体監修のもと、キャピタルメディカとJR東日本スポーツが共同開発されました。軽度認知障害(MCI)の早期発見と認知症リスク低減プログラムがセットになった最先端のサービスです。

体操の内容は、認知機能の種類に合わせて運動を行いながら認知課題を行うというものです。

有酸素運動と認知課題を同時に行う運動は、「コグニサイズ」と言われ、認知症予防にと効果的だという研究が発表されています。

今回一番簡単な内容で行ってみましたが、結構運動負荷もあり、担当の認知症予防専門士の心拍は脂肪燃焼ゾーンまで上がりました。歳代心拍の40%くらいまで上がったことになります。

ここまで心拍を上げるのは、室内の椅子に座っての体操ではなかなか至難の業です。

運動強度と認知症予防効果の研究はまだはっきりとした結論は出ていまっせんが、有酸素運動の効果を上げるためには「ちょっときついな。」と思えるくらいの運動負荷が必要です。アタマカラダジムの運動強度は丁度良いですね。

参加されている方の認知機能に合わせて、プログラムを選択できるのも
良いところです。

ふまねっととは?

ふまねっとは、「ネットを踏まないように」「ステップを覚えて」「手拍子を覚えて」「声を出して」と様々な課題を同時に行うことで認知機能を改善していくプログラムです。

コグニサイズと同様に、運動をしながら脳を使うことで脳を活性化させていきます。

簡単なステップから始め、できたという感覚を感じながら課題をこなしていくことが、ふまねっとの効果をアップする秘訣です。

今回も、難しいと感じたステップは繰り返し練習をし、できたという喜びを感じていただきました。

今日はみっちりと運動を行いましたが、終わった後はすっきりとした感覚が残ります。

軽度認知機能障害回復プログラムなつめでは、認知症予防に良いとされていることを実践しながら認知症への移行を食い止めていくことを目指していきます。

札幌市厚別区大谷地病院で実施しています。参加には医師の診断が必要となります。ご興味のある方は011-891-3737大谷地病院までお問い合わせください。