ただよう羽のオブジェ制作中の様子
軽度認知機能障害回復プログラムなつめでは、月に一度臨床美術を行います。
7月24日は、その月に一度の臨床美術の日です。今回は「ただよう羽のオブジェ」というプログラムを行いました。「ただよう羽のオブジェ」はフェリシモのミニツクシリーズ「脳が目覚めるお絵かきプログラム 大人の工作編」に登場するプログラムです。
脳が目覚めるお絵かきプログラムは臨床美術を手軽に楽しめる全12回シリーズです。「臨床美術に興味はあるけど、どこでやっているのか分からない。」という方にはとてもお勧めです。気軽に絵に没頭してリフレッシュすることができますよ。
今回は、なつめで行う臨床美術では初めての立体の作品です。といっても、最初は平面の作品を作っていきます。
参加者はすぐに自分の世界に入って、どんどんイメージを膨らませ、きれいな色を紙の上に乗せて行きました。
描いた紙を切り取り、加工していくときはちょっと不安も感じていたようです。でも、丁寧にいろいろな形のパーツを作って行くことができました。
本当は吸盤で壁にくっつくように仕立てるのですが、今回はマグネットに変更しました。
なぜなら・・・・。
どうしても宿題を忘れてしまうことが多いので、冷蔵庫に貼ってもらうことにしました。実用性も兼ね備えた今回の作品、札はよっと余計なおまけかも知れませんが、「とってもきれいにできた!」と満足されていました。
ただよう羽のオブジェの認知症予防効果
ただよう羽のオブジェは、最初は平面の「アナログ画」から始まります。「アナログ画」とは、感じたものを感じたままに表現した絵です。テーマについて記憶をたどり、イメージを膨らませて描いていきます。描いた線がまた次のイメージを膨らませ、心地よく絵の世界に没頭していきます。この時、芸術的な活動が得意な右脳が活性化されます。
右脳は視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚など五感を通した感性・感覚を司ります。また、瞬時に直感的に外部情報を認識し判断すると考えられています。現代社会はどうしても文字や言葉を通じて理屈的に考えることが多いのです。時には右脳を活性化させることも大切な脳トレです。
平面の絵が完成すると、それを指定した形に切り取る作業になります。今回は「羽」の形に切り取ることになります。下書きをせずイメージ通りに大まかな形に切り取り、羽の切り込みを入れて行くというのは、空間認知機能の訓練になります。
はさみを使ったり仕上げの作業をするときには、手をしっかりと使います。手を動かすと脳の広い範囲が刺激されます。
「脳トレ」と聞くと、クロスワードパズルなど紙と鉛筆を使った脳トレを思い浮かべることが多いと思います。それも効果はありますが、物を作るととてもたくさんの脳機能を使うので、脳トレ効果は高いですよ。
素敵な作品が手元に残る喜びもあります。
軽度認知機能障害回復プログラムなつめは、臨床美術など様々な活動を使って軽度認知機能障害から認知症へ移行するのを防ぐことを目指していくプログラムです。参加していただくには医師の診断が必要です。ご興味のある方は医療法人重仁会大谷地病院(札幌市厚別区)011-891-3737にお問い合わせください。