美術プログラムの様子
6月26日、札幌は最高気温27度と令和元年6月で最も暑い日となりました。
北海道民は暑さに弱く、25度を超えると体調を崩してしまう方もいます。なつめ参加者も暑さにやられたのか体調不良を訴える方がいました。予定では、コグニサイズを行う予定でしたが、急遽運動プログラムから臨床美術にヒントを得た美術プログラムを実施する事になりました。
今回のプログラムのテーマは「共同作業」です。
使う画材はアクリル絵の具です。アクリル絵の具を筆だけではなくスポンジやファンデーションのパフ、丸めたアルミホイルなどさまざまな道具を使って、画用紙に色をのせていきました。
「好きな色を好きな道具で色をのせていく。」
最初は誰しも不安です。でも、だんだんといイマジネーションがわいてきて、自然に手が動きだします。
スポンジを引っ張ってみたり、いろんな方法を試したくなりますね。
一通り色をのせてみると、みんな違う画面になりました。みんな違って、みんないい!
この後、画用紙を回して、他の人の絵に描き加えていきました。何人かの人のイメージが加わった絵に、最後は自分の手でかきたして仕上げました。
出来上がった絵の線や色といった似ている要素を繋ぎ合わせるように貼っていくと、不思議と一枚の絵のようになりました。
出来上がった作品の鑑賞会です。
全体を見渡した感想や、それぞれ描いている時の想いを発表していきました。
軽度認知機能障害に有効だと思われる事
今回のプログラムは臨床美術のプログラムからヒントを得た共同制作でした。
軽度認知機能障害の方の多くは、空間認知機能が障害されていきます。絵を描く事、絵の全体を見渡して構図やバランスを考えていく事は空間認知機能を鍛える効果があります。
今回の協働作業では、人の作品に手を加えていく事によって自分の作品だけでなく、携わっている人みんなの作品に共感しながら絵を描いていきます。
人間は社会的な生き物ですから、他者と共感しコミュニケーションをとるときが最も脳が活発に働きます。
美術プログラムを行い「少し疲れてとても楽しい。」という実感を持てた時は、脳が良い形で刺激された時です。
軽度認知機能障害回復プログラムなつめでは、臨床美術や運動、栄養の講話や調理実習などを行い、軽度認知機能障害からの回復を促していきます。
参加には大谷地病院を受診していただく必要があります。くわしくは大谷地病院(011-891-3737)へお問い合わせください。