大谷地病院認知症疾患サポートセンター便り

大谷地病院認知症疾患サポートセンタの活動をご紹介します。

軽度認知機能障害回復プログラム「なつめ」で栄養の講話を行いました

 何をどのくらい食べたら良いの?

WHO(世界保健機関)は2019年5月14日、世界的に増加している認知症の予防のために「認知症の予防のためのガイドライン」を公表しました。

ガイドラインは12項目あり、その中には「栄養の介入」も含まれています。

 では、何を食べたら良いのでしょうか?そのスーパーフードを食べ続けたら、認知症を防げるのでしょうか…?

 残念ながら、「これを食べたら認知症にならない」というスーパーフードは存在しません。見つけたらおそらくノーベル賞ものです。ただ、認知症予防に有効ではないか?とされる研究は色々されています。スタッフが参加した認知症予防学会でも多くの研究結果の口演がありました。

 また、認知症の予防のガイドラインでは体重の管理、高血圧症の管理、糖尿病の管理、脂質異常症の管理も挙げられています。どうでしょう?これらはすべて、食事とつながるのがお分かり頂けるでしょうか・・・?

 

私たちのからだは、食べたものによって作られています。1日に必要な栄養素を食事から十分に摂り、しっかりと活動することによって元気な毎日を送ることができます。「必要な栄養をしっかり摂る」ことが、健康寿命の延伸につながるのです。

 11/20のなつめでは、必要な栄養をしっかり摂るためには、何をどのくらい食べたら良いのかを学びました。

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この写真の図は東京都老人総合研究所の熊谷修先生が作成した「10食品群チェックシート」です。1日の食事の中で、主食以外でこの10コの食品に〇が付くとたくさんの食品を食べていることになります。(これだけを食べていれば良いというわけではありません)

認知症予防に関する研究結果では、「沢山の食品を食べる(食品の多様性がある)者は、多様性が少ないものと比較して、将来認知症になるリスクが低い」と言われています。「パンとコーヒーだけ」「ざるそばだけ」では、一見しっかり食べているように思えても、体に必要なたんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養が不足しています。3食の食事の中でいろんな食品を食べることが重要なのです。

 

手ばかりがわかりやすい

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なつめの管理栄養士がオススメするのが「手ばかり」です。「ごはんは〇g、肉は〇gを食べて下さいね」と言われても、家にはかりがないとわからないし、いちいち面倒だと思いませんか⁈(この立場でい言うのもなんですが…)簡単に、わかりやすく!なつめでは、それぞれに合ったご飯の量、主菜の量を学んでいきました。

①主食(炭水化物):ごはんは自分のにぎりこぶし(グー)ひとつ分

②主菜(たんぱく質):肉、魚、卵、大豆製品は自分の指を含まない手のひらひとつ分

③副菜(ビタミン、ミネラル):主に野菜となりますが、野菜は自分の両手1杯分

この他、乳製品と果物を1日1回の目安で摂取すると良いでしょう。ね、わかりやすいでしょう⁈

 

さぁ、来週は調理実習です。「めざせ!10食品群バランス弁当!」を作ります。たっぷり学んだ後は、弁当に入れる食材を皆で考えました。来週が楽しみです。

 

 

様々な病気に対しても、健康を保つことに対しても「食事」は重要です。何度も言いますが私たちのからだは食べもので作られています。色んなものをバランス良く、しっかり食べて元気な毎日を過ごしましょうね!